prairiestreetの日記 その2

スポーツを通じて思うところを書きます

2/25 J1第1節 東京ヴェルディ ー 横浜F・マリノス

東京V1-2横浜

ヴェルディは強かった。マリノスのここを消せばいいということを90分間やろうと思えばやれていたと思う。しかし、最後はマリノスが逆転勝ちした。

 

マリノススタメンは中盤が逆三角形の4-3-3

FWエウベル、A・ロペス、水沼 
MF 山根、喜田、渡辺皓太
DF 渡辺泰基、エドゥアルド、上島、松原
GK ポープ

 

前半は完全にヴェルディの時間帯。マリノスは攻撃の際ディフェンスラインを経由して両サイドにボールを動かすだけで相手の脅威には全くなっていない。

これは先日のACLバンコク戦でも顕著で、マリノスの組み立てにはなぜか2シャドーが下がらずに前線に残る(相手のボランチとCBの間で待つ)よう監督の指示があるらしい。(天野のインタビューより

中村俊輔を目標にする天野純「凄みのあるプレーを見せて、チームを優勝に導き、MVPを獲る」 (2ページ目) | web Sportiva

)。

ということは、ヴェルディからすれば各ライン間を狭く保ち2シャドーにはCBとボランチで挟み込むようにしてマークし、加えてアンカーの喜田にパスを出させないようなマークをFWで付けてしまえばマリノスのディフェンスから中盤の3人にはパスが通りづらいという状況にできる。これがACLヴェルディ戦の前半の、マリノスからすると持たされている、もどかしい時間帯。相変わらず上島は悪い意味で球離れが早く松原に出すところを狙われていた。エドゥアルドが持ち運べ、と指示するくらいに。

 

しかしマリノス逆転の予兆は後半開始時点からあった。
ハーフタイムに人は変えず中盤を逆三角形→三角形にする4-2-3-1に変更。去年までの形にすることで選手の動きが滑らかになりヴェルディのマークのズレを引き起こす。喜田が最終ラインに入り組み立てに参加するとヴェルディのツートップは渡辺皓太を見てしまっていた。
またゴール前でクロスのこぼれ球を拾ったエドゥアルドが持ち出しから一気に相手のペナルティエリア付近まで持ち運べてしまったことからもマークのズレが見え始め徐々に流れが変わりつつあった。


そして最初の選手交代が後半11分に2人同時と、早い段階で次の手を打つ。一人は水沼→ヤン・マテウスでこれはわかる。驚いたのはもう一人、喜田→宮市。どう考えてもポジションは違う。なんとトップ下の山根をボランチに、宮市が左WGに入りエウベルがトップ下に入るという、普段の練習から見るような人でない限りはマリサポでも驚いたと思う。
案の定、ヴェルディもマークの確認がすぐにはできず、その間にもヤン・マテウス、宮市、エウベルと対峙する相手が個で仕掛けてくる選手に変わったことによりマークは混乱を引き起こす。前半の劣勢が嘘のようにマリノスが攻勢に出るスイッチを入れる見事な交代だった。

 

ヴェルディもその後両ウイングを交代させるが、先制点のFKを決めた山田を下げてよっしゃと思ったマリサポは私だけじゃないはず。彼がいるとゴールに近い位置でファウルできずコンタクトが厳しく行けないのはあっただろう。

渡辺皓太、山根が中盤で前を向くターンができるようになり、宮市のゴールはオフサイド、松原の鋭いクロスも僅かに宮市に合わず…だが、確実にヴェルディゴールに迫りつつある。まだ後半15分のところなら時間は十分。

 

膠着してきたかに思えた後半25分過ぎ、マリノスは次の交代でさらに攻めの姿勢を明確に示す。再び4-3-3に戻し、山根をアンカー、渡辺皓太→ナム・テヒ、エウベル→天野で中盤をフィジカル勝負に持ち込む。

宮市が裏を狙い続けたのもあって、DFとMFのライン間も前半ほどタイトでなくなり始めたころ、後半35分にマリノスはとうとう山根→植中でアンカーをナム・テヒと天野が交互に入るようにして中盤を攻撃的な選手で固める。ヴェルディもよく耐えているが、守備はともかく攻撃はさすがに鋭さは薄れていた。

 

そしてついに試合が動く。ナム・テヒのクロスに渡辺泰基が折り返したところ相手のハンドを誘う。A・ロペスが決め振り出しに。そしてアディショナルタイムに入り、相手のクリアが弱くなったところをついて松原が逆足で見事に流し込んで逆転。その瞬間のヴェルディの選手たちの崩れ落ち方から、もはやこれまでというのがわかった。

 

正直、ヴェルディの追加点がなかった面に助けられた部分もあった。決定力不足というのは簡単だが、あれだけタフに動き続けるとさすがにシュートに力や正確性を乗せられないのか交代選手以外後半はミートすら難しそうに見えた。
その上で交代枠も、ヴェルディは3人しか交代しなかったのに対しマリノスはしっかりと5人使い切り、5人それぞれに明確な意図を持たせていた。

 

マリノスはまず4-2-3-1で入って、4-3-3は相手のディフェンスが間延びしたり相手の消耗が出る後半の途中や勝負どころから仕掛ける、でいいんじゃないかな。じゃないと、毎試合前半は持たされて後半に勝負を仕掛けることになっちゃう。今のところたまたま結果は出てるけどPKありきでは計算できないよね。

試合後に宮市とエウベルが仲良さそうに話していたのを見ると、単なるライバルじゃなく共存もできるマリノスファミリーであることを伺わせるようないい雰囲気を感じ取れた。

 

まだまだこれから進化していくマリノスを今年は楽しもうと思う。

それにしてもJ1は今年もタフな戦いが続きそうだ。見てる方は楽しめると思う。